漫画というコンテンツは本当に素晴らしいと思う。
絵と文字によって表現されているため、音とか間とか動きとか感情とかの部分は足りていない。
だからこそ読者によって好きに補完できる。
つまり読者の数だけ独自の世界観がある訳だ。
だが、世の中にはその自分だけの独自の世界観を破壊するコンテンツがある。
それがアニメ化だ。・・・アニメ化は基本的にダメだ。
作り手が悪いとかそういうことじゃない。
(もちろん作り手がそもそも駄目なパターンもあるんだけれども)
アニメ化ってやつは他人の世界観に土足で踏み入る行為と言って差し支えない。
動きが加えられる部分は良い。そこは感動ポインツが高い。
しかし問題はそれ以外にある。声、音、間・・・
演出にかかわる重要な部分に対して生じる圧倒的な解釈違い。
これは完全に自分だけの世界がある訳で、全ての人の解釈に応じた作品を作ることなど絶対に無理だろう。技量の問題ではない。
自分の大切な世界が改変されてしまって何も感じない人はどれだけいるだろうか?
アニメ化によって大成功を収めている例も勿論ある。
それらの多くは原作リスペクトに溢れ、およびファンへの配慮が最大限になされている。
自分だけの世界観への浸食を圧倒的に上回るほどの莫大なリターンがあるからこそ、アニメ化は成功できるのだ。
本当にひどい作品だと原作を改変してくるのもあるし、製作者の独りよがりの妄想を押し付けてくる物もある。
そしてそれがオフィシャルな情報になってしまったりする。
それらは最低最悪の行為と言っても過言ではない。反吐が出るほどの邪悪。
だから僕は好きな漫画ほどアニメには近づかないようにしている。
自分の構築した世界が汚されることに耐えられないからだ。
たかが漫画のこととはいえ世界を侵されることは重大問題だ。
何よりも怖いのが自分の中だけに存在していた世界が塗りつぶされて消滅してしまうことだ。
ジョジョとか進撃の巨人とか絶対に汚されたくなかった!!
だから観なかったしこれからも一生観るつもりもない。
ベイビーステップは序盤だけ観てしまって後悔している(-_-;)
原作をほとんど知らない状態で観賞したアニメはそういった心配が無い。
呪術廻戦とか鬼滅の刃はアニメから入って良かったと思っているし、これからの展開も期待している。
まあ、鬼滅の刃は原作が終わっているのにのんびりし過ぎだと思うけど。
アレは最期まで制作されない気がしてきている。
さて、何でこんなことを言い出したのか?
そう、ちいかわである。
めざましテレビでアニメ化されてしまった。
これがどうにも困ったもので『嫌なら観るな』で済まされる問題ではないのだ。
まず、声だが・・・ハチワレのイメージが俺の世界とはかけ離れていた。
っていうかあの少年ボイスで納得いっている人いるの??
何というか、ちょっと女の子よりの高めの声を想像していた。陰のあるかわいさ。
そして(尺の都合だろうが)アニメの全体的に早口というかスピーディなテンポが気に食わない。
変に勢いがあるせいでシュールギャグ系のテンポになっていないか??
ちいかわの世界観はそうじゃないはずだ。(シュールではあるかもしれないけど)
更には音楽だ。何だあのほわほわ可愛い系の音楽は??
ちいかわの魅力は決してかわいさではない!(重要)
あのいで立ちでいて、残念な能力であったり不遇な目に遭っていることに起因する”切なさ”が漂っているところが魅力なのだ。
少なくとも俺の世界ではそうなのだ。
だというのに何だあの癒し系ムードは・・・。
ちいかわというブランドに致命傷を与えかねないレベルの勘違いだぞ。
俺は圧倒的な解釈違いという物を体験している。
最低の気分だ。知りたくなかった、こんな世界があるなんて。
リラックマのパチスロが存在していることを知った時よりショックだ。
もうさ、漫画とアニメの世界をごっちゃにするのは止めましょうよ。
完全に切り離した世界として考えた方が良いって!!
こんな悲しい出来事がどれだけ繰り返されてきたのだろうか??
偉い人たちはよく考えてみることだ。