質問されたら答える。当たり前のことだ。
友人、恋人、家族、同僚、上司と部下。
どのような関係でも問いに対して答えない、というのは通常あり得ない。
仮に『何も答えない』場合・・・
それはそれで回答になってしまっている、というのが今回のテーマ。
答えなかったらセーフ!なんて思ってしまっているのは自由だが、質問者にとっては決してそうではない。
何も答えられなかったということは回答は質問者の解釈次第、となる訳だ。
(ふーん・・・そういうことね)
と思われてしまうリスクがある。回答しないということは基本的に危険牌だ。
例えば会社の中での話だが、『働き方改革の推進』が社会的に急務となっている。
企業は個人のワークライフバランスの確保も意識しないといけない。
残業は極力少なく、休日はしっかり休んで、有休も決められた日数はしっかりとって!
と一見して耳障りの良いことを言ってくる。よくある話だ。
その一方で、ノルマは達成しろ、納期は必ず守れ、顧客対応は時間をかけて丁寧に、急な仕事が入っても絶対に決まった質と量は守れ!
なんてことも平気で言ってくる。まあ、ここまではまだ良いとしよう。
部下『いくら効率を上げたとしても現状では時間が足りません。』
上司『報連相しろよ!周りの手が空いている奴に仕事を渡せよ!』
部下『報連相はさておき・・・。周りに手が空いている人がいないじゃないですか?知っていますよね?』
上司『確かに。って何で報連相をさておいた!しろよ!!』
部下『してるだろうが!!!』
と、なってしまうケースもある。
まあ上司が悪いのか部下が悪いのかはケースバイケースだが。
仮にこの部下が報連相をしっかりしていたとしよう。
定期的な面談でワークライフバランスの問題について相談し、仕事の手法についても相談し、また会社のシステム的な欠陥に対しても改善要求をしていた。
それに対して上司もその場では『分かった』と一旦受け取っていた。
・・・そしてそれっきり。
回答も改善も何もなかったとしたら部下はどうすればよかったのだろうか?
会社から無理難題を求められる。相談しているのに無視されてしまう。
俺は一体どうすればいいのか・・・?
『あ、嫌なら辞めろってことね』
となってしまうのは仕方のないことだろう。
無回答という回答を受け取った質問者はその意味を自分で解釈するしかない。
仮に答えることが出来なかったとしても同じことだ。
『ちょっと待ってよ~』と甘えたスタンスを受け入れるかどうかは質問者次第だ。
答えないならそれはそれで好きにすればいい。
僕が言いたいのは『無回答は回答になり得る』ということ。
何も答えていない間は時が止まっているから大丈夫!なんて考えは甘い。
せめて回答目途だけでも先に伝えておくことをお勧めする。
自分の方が立場が上の時は『早く答えろ』と息巻く風潮にあるが、その逆に対しては基本的に甘えのスタンスがスタンダードなのが少し面白い。
まあ、組織が大きかったり責任が求められる立場ともなると迂闊なことは言えないのだろうけれども(^^;)
対面する相手に誠意を見せる
ビジネスでもプライベートでも大切なことだと思います。