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【テニス】ゾーン体験の光と闇

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テニスに限った話ではありませんが、スポーツの好不調を示す表現の中に
『ゾーン』という領域があります。

 

今回は僕が経験した『ゾーン』の体験談を語らせていただきます。
タイトルにもありますように、ゾーンによる成功体験と失敗経験を語らせていただこうと思います。

 

◆ゾーン成功体験記
僕がゾーンに入ったのは大学生の大会で格上のシード選手と当たった時。
順当にいけば僕が負けることが必至な試合だったと思いますが、その時の僕は試合の最序盤からゾーンに突入してました。

 

なんとその試合は開幕から立て続けに僕がゲーム連取!(^^)!

 

普段はストローク中心かつ守備的なプレーに重きを置く僕でしたが、その時はかなり攻撃的な試合を展開していたと思います。


頭が非常に静かでクリアで冴えていて、慣れないはずの相手の打球に対してスムーズに追いついてスイングを出来ていました。

 

何よりも驚いたのが『体が勝手に動いて』ボレーを決めたこと。


普段消極的な僕には中々ないプレーだったんですが、バックハンドストロークをクロスに打った後に、何も考える間もなく前に詰めてバックボレーでエースを取りました。

 

エースが決まった後に(え? 俺は何を思って前に来たんだ?)と本当に不思議だったことを鮮明に覚えています。


練習とかの時に調子が良くてどんなショットでも打てそうな気がするような万能感に罹ることは確かにあったのですが、この試合ではそれとも違い自分でも不思議な感覚の中で何もかもが上手くいくような状態でした。

 

あえてその時の状態を言葉で説明するのなら、
①集中力が高まることにより相手の打球への順応性が高まり、
②自分のショットの精度が最高の状態になり、
③『体が勝手に動いた』と感じるくらい瞬時に状況に応じたプレーを選択していたんだと思います。
④しかもその選択が普段ではありえないくらい積極的だった…と。

 

プレイヤーとしてはまるで夢のような時間ですね。
しかし、最高のプレーは束の間…闇はすぐに訪れました。


◆ゾーンによる失敗体験記
この試合、結果として僕は敗れました。
8ゲーム先取の試合だったんですが、怒涛の8ゲーム連取をされて負けました(笑)

 

まあもともと実力は相手の方が上だしね…、と思いたい所ですが
敗因は僕の自滅。それが全てでした。

 

しかも攻撃してリスクを負った上でのミスではなく、まともに打点を捉えられなくなってミスを連発しているだけでした。

 

愚かな僕はゾーンという魔法にかかった『最高の状態』を、その試合の最後まで続くプレーの基準として考えてしまったのです。

 

結果、魔法が解けた後の僕はそれまでオートで行えていた打点調整等の処理を
オートで行えなくなり、全く思い通りに打てなくなりました。

 

しかももう魔法は解けてしまっているのに、魔法にかかった時の感覚を基準にプレーを続けてしまい、本来あるべき打点調整等の努力を完全に放棄してしまい、いつかゾーンの自分が帰ってくることを信じて最後まで自滅を繰り返しました。


僕の大好きなテニス漫画である『ベイビーステップ』では、ゾーンを『自ら作れるもの』や『奇跡の産物』等の表現をしています。
(天才的に自らゾーンに入れる人がいたり、色々な条件が重なり奇跡的にゾーンに入ることがあったり…)

 

僕にとっては奇跡の産物でしかなかったゾーン。
その効力を目の当たりにした僕は完全にゾーン状態の自分に甘えてしまったのです。

 

ゾーン状態でなくなったのなら本来の自分の力で戦わなきゃいけなかったのに、ゾーン状態こそ真の自分と妄信してしまい、行うべきだった努力を無意識的に放棄してしまっていました。

 

絶大なる力を誇るがゆえに、それに嵌まってしまい抜け出せなかった…という闇。
普通のプレイヤーならどこかで気づいてプレーを修正するんでしょうけれど、僕は最後まで現実を直視できずに自滅してしまいました。
びっくりするくらい一気に崩れて何も出来なくなっていましたね。


◆何が言いたいのかというと…
ゾーン状態も自分の実力の一部であることは確かですが、頼りにして良いものではないということ。あくまでも奇跡の産物。

(黒子のバスケの火神君も陥ってましたかね?)

 

ゾーンが解けたらすぐさま切り替えて『いつもの自分』を信じましょう。
(僕の場合、ボールを注視することから取り戻さなきゃいけなかった…)

 

ゾーンに入った時こそむしろ危険、と言っていいかもしれませんね。

反対に対戦相手の調子がべらぼうに良かったとしても試合を諦める必要はありません。
相手の調子を崩すことに成功すれば一気に巻き返せるかもしれませんよ!

 


◆おまけ(ゾーンに入る方法)
結論から言うと確かな方法は分かりません。

 

プレイヤーの調子に影響する要素として、
体調、疲労感、メンタル、モチベーション、集中力、コート、試合の展開、
相手との相性、因縁、天候、風、ガットのテンション、ボールの状態、運…etc

 

ざっと考えても上記が挙げられますし、多分まだまだあるでしょう。
それらの要素が複雑に絡み合うことで『その時の調子』になります。

 

仮に本当に意図的にゾーンに入る方法があるとするのなら、それは上記の要素を極力絞り込んでしまうことなのではないでしょうか?

 

数多く存在する調子に影響する要素の数を出来るだけ減らして、残った要素だけを高めることに集中してゾーンと言える状態に入っていく…。


要素を減らしていくための努力なら(難しいけど)出来るかもしれない。

それが出来る選手こそが『ゾーンを作れる選手』なのかもしれない。